私は性格が生真面目なのか、たとえば以前の仕事をしていたときなどには、かなり集中して緊張していたと思います。ひとつのことをやり出したら、何時間も椅子から立ち上がらないので、肩や腰、首、目から全身に疲れがたまっているような状態。立ちあがった途端にぎっくり腰、ということもありました。
その改善のために、通うようになったのが、女性専用のマッサージサロンです。マッサージが中心だったのですが、施術のときには部屋を暗めにして、ヒーリング音楽を流し、アロマを炊いてくれます。体も心もリラックスして、気付いたらいつも眠ってしまっていたくらいです。サロンを出るときには、頭がすっきりして、疲れもとれているような気がしていました。
でも、残念ながら、体の傷みが完全に治っているというわけではありませんでした。リラックスするためだけに行くのなら、自分で部屋で音楽を流してオイルを炊いた方がいかなと思って、道具を揃えました。そういう人が多かったのか、サロンはいつの間にかなくなっていました。
スタッフの方とも仲良くなっていたので、サロンが廃業したことに、少なからず私は罪悪感を感じていました。そして、そのことはずっと頭の隅に残っていました。そして、今回、整体の学校に通いながら、あの店になぜ自分が行かなくなったのだろうと考えていました。それで、わかったことがありました。
問題点は、リラックスできる環境はとても整っているのに、施術そのものは、やはり強い力でのマッサージだったところだと思います。部屋を演出してリラックスできたのだから、その環境をいかして効果的な治療までできればいいのに、逆に緊張をあたえるようなマッサージを行っていたのです。
その経験が、私が整体治療院をやりたいと思った根本にあるような気がします。リラックスできる空間を提供して、施術を行う。強く押したり揉んだりせず、体の緊張を解くことで治療していく技術を身につけられたことは、私にとってはかけがえのない財産です。